2004年05月31日

新書は肉マンの3分の1

 昨日、「だれが「本」を殺すのか(上・下)」(佐野眞一/新潮文庫)を紹介して、現在の出版界について少し考えたのに、その日のasahi.comでこんな記事を拾った。

「世界の中心―」「バカの壁」…出版救うかヒット旋風 - asahi.com : 文化芸能
 片山恭一「世界の中心で、愛をさけぶ」、養老孟司「バカの壁」など記録的なベストセラー書籍の登場が続いている。話題作に引っ張られ、97年から7年続く出版物の売り上げ減少にも底入れのきざしが見えてきた。いまなぜメガヒットが次々に生まれているのか。

 ああもう、ぜんぜんわかってないなあ、と。そうか、真正「バカ」なんだ。なんでメガヒットが生まれるか、というより、どうしてメガヒットになるのか考えたらわかりそうなものなのに。

 先の「だれが「本」を殺すのか(上・下)」(佐野眞一/新潮文庫)のなかに、こんな一節がある。

 新書のマーケット規模はおよそ百二十~百三十億円と推定されている。肉マンのマーケット規模が三百億円あまりといわれているから、その三分の一強の市場規模である。この全身から力が抜けていくような数字が、新書は所詮、子ども貯金程度の小銭稼ぎビジネスという冷ややかな見方の一つの根拠となっている。

(――『だれが「本」を殺すのか(上・下)」(佐野眞一/新潮文庫)より)


 この本には、「バカの壁」がなぜ生まれたのか、それがどうやって生まれたのか、そしてそれがどのような意味を持っているのかまで、当の「バカの壁」を編集した担当編集者にまで取材して、考察している。

 それにしても、新書マーケットが肉マンの3分の1とは。これなら肉マンの付録に新書を付けて売ったほうが、はるかに売れるんじゃないかな。カップ麺やお菓子にシングルCDを付けたら、シングルCDの売り上げがそれまでの何倍かになった、という話もあることだし。

投稿者 kazumi : 2004年05月31日 05:15

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