« 前 | メイン | 次 »

[新版]平成テクニカルライター養成講座[Kindle版]

平成テクニカルライター養成講座
[新版]平成テクニカルライター養成講座
[Kindle版]
武井一巳
Kindle版
350円
2012/12/12発売




 本書の元となった『平成テクニカルライター養成講座』は、一九九七年に作成し、翌九八年初頭に単行本として発売された。雑誌の連載だったこともあり、原稿は雑誌連載とともに当時のパソコン通信の会議室にも掲載した。単行本化にあたり、会議室に掲載した別の原稿のいくつかを収録した。
 当時は、そんな形でネットと雑誌、さらには単行本とを連携させたのは、あまり例がなかった。いまならごく普通にある例かもしれないが、15年以上も前では考えられないことだった。それが可能だったのは、ひとえに担当してくれた雑誌編集者や、単行本化してくれた編集者の尽力によるものだ。

 単行本化のあとも、実は筆者のウェブサイトに雑誌連載分を丸ごと掲載し、誰でも読めるよう公開していた。連載中に雑誌は休刊し、単行本を出してくれた出版社も倒産したが、本そのものはまだアマゾンなどで細々と中古品が出品されているし、ウェブでも連載部分を読むことができた。

 本は、いずれなくなるだろう。本書の末尾にも記したが、ぼくの本は必要な人に必要なときに届けば、それでいいと思っている。いずれ消えてなくなるもの、とも思っている。
 だが、うれしいことに、そのウェブページを訪れて、公開分を丹念に読んでくれる読者も少なくない数いた。連載中に行なっていた「お題」(練習問題)の回答を、メールで送ってくる読者も、いまだに少数ながらいてくれる。本としてまとまったものを読みたい、というメールも届く。

 そんなわけで、『平成テクニカルライター養成講座』を電子化することにした。出版社が潰れ、本を手にすることができないなら、電子本にして必要な読者に届けたいと思ったからだ。
 だが、電子化にあたり、情報がかなり古くなっていることに改めて愕然とした。しかし、あえて大元の雑誌連載分の部分にはあまり手を加えていない。新しい情報を付け加えるためには、全面的な改稿が必要だし、それでは当時の雰囲気を伝えることができないからだ。

 また、単行本化にあたって追加した部分も、一部をのぞいてそのまま収録し、代わりに「特講」として新しい原稿を付け加えた。当時と現在とでは、あまりに状況が変わりすぎ、整合性がとれていない部分もあるだろう。
 しかし、時代は変わっても、また利用するツールが変わっても、ライターになるためのもっとも基本的なノウハウや考え方は変わらない。ライターとは、職業ではない。生き方そのものなのだ。

(電子版あとがきより)


トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.takei.gr.jp/MT/mt-tk-tb.cgi/298


Copyrigth (C) 1996-2006 by Kazumi Takei. All Rights Reserved.