2005年06月01日

最近の読書

 長いこと更新が止まっていました。とにかく忙しくて、ブログ書くより原稿書けという無言の圧力が……。

 忙しいときほど本が読みたくなる、という持病が発症していて苦しい&申し訳ない。「まだですか~?」と原稿督促のメール&電話が毎日のようにくるわけで、つくづく因果な商売です。

 というわけで、ここ何日かで読んだ本のうち、面白かったものを。
義八郎商店街
 例によって、大好きな東直己の新刊。「義八郎商店街」(東直己/双葉社)ですが、これまでのハードボイルド路線とは、ちょっと違います。違うけど、いいや。

 ホラーチックなユーモア路線、とでも言えばいいかな。肩が凝らずに笑いながら読めます。

わが青春無頼帖
 何年ぶりかで、シバレンの小説を読みました。「わが青春無頼帖」(柴田錬三郎/中公新書)です。シバレンの時代小説ではなく私小説的な青春もので、初の文庫化のようです。

 柴田錬三郎といえば、「眠狂四郎」を代表とする時代作家、直木賞受賞作家ですが、こんな私小説的なものも書いていたんですね。岡山県立二中を中退して上京し、直木賞を受賞するまでの女性遍歴や戦争体験などを回想した逸話録。

 このところ10年近く、ずっと新しい作家や新刊ばかりを追いつづけてきたんですが、たまにはこの当時の作家のものを読み返してみるのも楽しいものです。

売文生活

 新書では、「売文生活」(日垣隆/ちくま新書)を読みました。これも面白く読めます。

 夏目漱石を代表とする明治の文豪から、現在の作家、ライターまで、その経済生活という側面に焦点を当てた本です。
 作家というと、貧乏と思われますが、どうもそうでもないらしい。当時の原稿料を現在の金額に換算すると、信じられないほどの金額になります。そういう話が、あちこちに出てくる。

 ただし、鵜呑みにはできません。最近の出版事情はかつてないほど劣悪で、少なくともここ30年ほどは、悪くなりはしましたが良くはなっていない。このへんが「売文業」の難しいところです。

まるごと702NK―スマートフォンをあなたの手のひらに!

 理工系からも1冊。「まるごと702NK―スマートフォンをあなたの手のひらに!」(山根 康宏, あきらん, Ling‐mu/技術評論社)は、現在日本では唯一といえるノキアのスマートフォン「702NK」の解説書です。

 実際にショップなどで触れてみると、ちょっと大振りでポケットに入れるには嵩ばるなあと心配になりますが、機能を見ると欲しくなります。
 ソニーがPalmから撤退し、日本ではZaurusくらいしかPDAの選択肢がなくなってしまいましたが、これからはスマートフォンがPDAに置き換わる形で普及していくと予想されます。ドコモからも新しく出ると発表されていますね。

 時間があれば、自分にとってスマートフォンにどんな機能を求めているのか、まとめてみると面白いんでしょうが、なんせ時間がない。

 というわけで、最近読んだ本のなかで面白かったものです。もちろん、本そのものはこの何倍も読んでいます。自分の本も含めて。

投稿者 kazumi : 2005年06月01日 16:26

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