2004年07月02日

追悼:広岡敬一

 期せずして、ふたりの作家の死亡記事が並んでしまいました。
 今日はルポライターの広岡敬一さんです。

ルポライターの広岡敬一さん死去 - asahi.com : 社会

広岡 敬一さん(ひろおか・けいいち=ルポライター)が6月21日、肺がんで死去、82歳。遺志により献体するため、葬儀の日程、喪主などは未定。

 享年82歳ですから、残念とはいえまだ救われます。
 広岡敬一といえば、「トルコロジー」(晩聲社)で一躍有名になってしまった、トルコ風呂専門ルポライターとよばれたジャーナリスト。それまで、雑誌、とくに週刊誌ではトルコ記事などがよく掲載されていましたが、そのほとんどは無署名記事でした。それが広岡さんの登場で、陽の目が当たるようになりました。

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「トルコロジー」(晩聲社)「ちろりん村顛末記」(朝日新聞社)「トルコロジストのせんちめんたるじゃーにー」(現代書林)「泡の天使たち」(講談社)「ストリップ慕情―浅草・吉原ロマネスク」(講談社)「戦後性風俗大系―わが女神たち」(朝日出版社)「昭和色街美人帖―私の"赤線時代"」(自由国民社)など多くの著書がありますが、いまでも手に入るのは、ほんの10冊程度でしかありません。

戦後性風俗大系―わが女神たち
 実は、もう30年近く前のことですが、ぼくがまだこの世界に入りたてのころ、サラリーマン向けの雑誌で「情報源」の特集記事を書いたことがあります。それはもう、政府公報から「こんにゃく新聞」(という業界紙さえある)、全国のミニコミ誌まで、面白い情報源として手に入るものを色々と探して解説記事を書いたわけです。

 このとき取り上げたもののひとつに、「全国ストリップ新聞」(確かそんな名前だったが、記憶は定かではない)というのがあり、編集長に取材でお会いしたんですね。
 台東区にある自宅兼事務所のマンションの1室で(そのときは気がつかなかったのですが、いま思えば、なぜ台東区に事務所があるのか理解できる)、業界の裏話などを聞いたんですが、このとき話の端々に出てきたのが広岡さんのことでした。トルコ記者として有名な広岡さんですが、ストリップにも詳しく、全国のストリッパーに愛されていたという話でした。
 そんな話を聞いて、いつかお会いしたいと思っていたものですが、結局果たせませんでした。

 またひとり、名物ライターが亡くなってしまいました。

投稿者 kazumi : 2004年07月02日 17:49

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