2004年07月24日

世界を変えた地図

 原稿が終わったと思ったら、すぐにゲラが出てきて、この著者校がタイトなスケジュールで、原稿を書くよりきつかった。
世界を変えた地図 ウィリアム・スミスと地質学の誕生
 それがやっと終わりました。終わったとたんに、すごい本が届いた。「世界を変えた地図-ウィリアム・スミスと地質学の誕生」(サイモン・ウィンチェスター/野中邦子訳)早川書房です。

 装丁といい中身といい、歴史科学ノンフィクションの大著です。こういう本に出会えるのもまた、読書の醍醐味です。

 地図といえば、世界地図や日本地図を思い浮かべます。あるいは、メルカトル図法だの透視図法だのといった、地図の種類もあります。でも、ウィリアム・スミスが描いたのは「地質図」。
 この地質図というのは、地層の岩石や土を、色刷りであらわしたもので、これをはじめて作ったウィリアム・スミスは、地質学では必ず登場する重要人物。

 ただし、地質を観察し、地層を地図として表現し、地層図をはじめて「発明」することで、スミスは当時(18世紀)の科学界で迫害され、投獄さえされることになります。この地質図は、聖書の世界観を完全に覆すことになるからです。

 地質図をはじめて作成し、のちに「地質学の父」とまで称されるウィリアム・スミスの、苦悩と波瀾に満ちた生涯を描いたノンフィクションです。

投稿者 kazumi : 2004年07月24日 09:15

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