打ち合わせの帰りに、新宿に寄って紀伊國屋に行ったら、休みだった。そんな間の悪い日もある。
紀伊國屋の前を通り過ぎ、量販店でパソコンのメモリなど購入。その後、雨が降り出していたが、歌舞伎町まで足を伸ばす。といっても、帰り道にちょっと寄り道しただけだけど。30年ぐらい前まで、ほとんど毎晩この街をうろついていたが、ここ10年くらいは年に1回か2回ぐらいになってしまった。
ちょうど歌舞伎町を舞台とした本を読んでいた。読んでいたのは「歌舞伎町案内人」(李 小牧/角川文庫)だ。日本にやってきて、この街でガイドをやっている中国人の話だ。
歌舞伎町を舞台とする小説は少なくない。「不夜城」(馳 星周/角川書店)や「鎮魂歌(レクイエム)―不夜城 2」(馳 星周/角川書店)といった馳 星周のものは言うに及ばす、大沢在昌の「新宿鮫」シリーズは、8巻まで出ている。(しかし、四六で出したあと、タイトル変えて新書で出すのは止めてほしい)
それらの新宿もののなかでも、ぼくが好きなのは、「殺し屋はバスに乗る」(山本音也/講談社)だ。歌舞伎町の話はほとんど出てこないが、ぼくが知っている新宿に、一番近いかもしれない。
「歌舞伎町案内人」は、中国人の目から見た歌舞伎町が描かれている。奥の奥まで知りつくしているのだろうが、それが書けないもどかしさもあるだろう。その分、ちょっと深みが足りないかもしれない。
しかし、歌舞伎町も変わったなあなどと思うのは、確かにぼくが年をとった証拠だ。
投稿者 kazumi : 2004年05月20日 01:19