2004年05月15日

ASIAN JAPANESE

 ちょっと必要があって、Windowsの再インストールを行なった。

 再インストールったって、Windows98、98SE、Me、2000、XPの各バージョンをすべて再インストールしたのだ。泣けた。時間のかかること、かかること。しかし、こうして異なるバージョンのものを一度にインストールしてみると、インストーラーさえもよくなってきているのがよくわかる。

 とにかくインストールには時間がかかる。手間もかかる。CD-ROMを突っ込んで放っておけばいいってわけにもいかず、プロダクトIDを入力したり、設定ボタンをクリックしたりと、ずっとパソコンの前にいる必要がある。WindowsXPになって、少しはマシになったけど。

 インストールに時間がかかるため、その間パソコンの前でASIAN JAPANESE―アジアン・ジャパニーズ〈1〉「ASIAN JAPANESE―アジアン・ジャパニーズ」(小林紀晴 / 新潮文庫)をパラパラと見る。初版が出たのが95年のはず。このとき書店で見つけて購入してるけど、本棚のなかに埋まってしまって見つけ出せない。それが最近文庫で出てるのを書店で見つけ、買ってしまった。

 アジアン・ジャパニーズ以来、小林紀晴は、出れば買う作家になってしまった。作家というか、写真家なんだけど。
 このアジアものは、「アジアン・ジャパニーズ(2)」「アジアン・ジャパニーズ(3)」と続き、さらに「デイズ・アジア」「アジア旅物語―Asian generation」「アジアロード」などに続く。さらに9.11のニューヨークを歩いた「days new york―デイズ ニューヨーク」でも、ニューヨークのアジア人をとらえていた。

 この手の旅ものといえば、古くは小田 実の「何でも見てやろう」(まだあるのかな、とAmazonで探したら、講談社文庫版が手に入るようでした)があり、さらに沢木耕太郎の深夜特急 (1)
「深夜特急(1)」
があり、そして素樹文生の「上海の西、デリーの東」なんかがあるんだけど、小田のものと比べ、ここに挙げたものがすべて、情緒的で限りなくウェットなのは、やはりアジアという特質なんだろうか。そこに惹かれもするんだけど。

 10年ほど前、まだ返還前の香港に取材で行ったとき、泊まったかなりいいホテルの副支配人が日本人で、話を聞いて驚いたことがあります。副支配人として、日本から出向してるというなら話は別だけど、高校を卒業し、単身香港に渡り、職を転々としながらその世界的にも有名なホテルの副支配人まで登りつめたんですね。こんなふうに頑張ってる日本人がいるんだと。

 アジアだけじゃないけど、とくにアジアではどこに行っても、必ず日本人に会う。それはもう、どんな小さな村でもというぐらい。

 小林紀晴には、ほかにも「写真学生」といった小説もあり、これもお勧め。実は小林はぼくと同郷なんですね。どうやら高校が同じらしい。そのためか、この「写真学生」には、妙に共感するところも少なくなくて、心穏やかには読めなかったりもします。しかもそのウェットさも心地よい。しかし、Windowsの再インストールをしながら読む本じゃないな。

投稿者 kazumi : 2004年05月15日 19:53

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